エクソソームは細胞外に放出される小さな細胞小器官で、 様々な生体分子(タンパク質、RNA、リポタンパク質など)を含みます。 細胞間のコミュニケーションに関与し、細胞の機能や状態の制御、免疫応答、 病態進行などに重要な役割を果たします。医学研究では、がんや神経変性疾患 などの診断や治療、再生医療の応用が期待されています。 エクソソームの研究は、細胞間通信の理解や新たな医療法の開発につながる可能性があります。
エクソソームは損傷を受けた細胞に集まり、内包する遺伝子(メッセンジャーRNA)の働きで、標的となる細胞が自力で回復できるように働きかけます。マイクロRNAは非常に壊れやすく、そのまま細胞外に放出されるとすぐに分解されてしまいますが、エクソソームが中に包み込んだ状態で、細胞の外へと袋のまま放出するので大切な情報は壊れずに他の細胞へと無事に伝達することができます。
・免疫関連疾患(自己免疫疾患、アレルギーなど)
・神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)
・心血管疾患(心筋梗塞、心不全など)
・炎症性疾患(関節リウマチ、炎症性腸疾患など)
・糖尿病(インスリン分泌調節など)
・腎臓疾患(慢性腎臓病、腎不全など)
※エクソソーム療法における具体的な応用はまだ実用化の段階ではなく、将来の研究や臨床試験が必要です。